半日お散歩コース、都心からアクセス抜群の野比海岸

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神奈川県の三浦半島の南端、東京方面から向かえば、三浦海岸の少し手前に「野比海岸」という場所があります。品川から京浜急行線で1時間くらい、「YRP野比」という駅で降り、そこから徒歩で10分くらい歩いた場所にある海岸です。

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一応海岸という名前なのですが所詮東京湾です。正直あまり綺麗というわけではありませんが、砂浜もあり、夏になれば海水浴も可能、もっとも私は真夏の人で込み合うような時季にそこへ行った事がないので、正確な様子は分かりません。会社の寮があった場所が都営線の泉岳寺という駅、京急線の乗り入れがあったためアクセスが良く休みの日などには散歩がてらこの場所へはよく出かけていたのでした。

以前、この「YRP野比」という名の京浜急行の駅は、単純明快に「野比」という駅名でした。1990年前半ごろの話です。駅前にはわずかな商店がギリギリ並んでいるだけののどかな場所で、辺りは畑がちらほらあり、低い山に囲まれた田舎町の風情がそこにはあり、間延びしたような「のび」という名前が、なんかピッタリだなあ、などと私は勝手に思っていた次第です。

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ところが、ある日京浜急行線を利用した際、車内の路線表示を何気に見上げてみると、「京急九里浜駅」の一つ先、今まで「野比」と堂々と書かれていた場所になにやらシールーがペタリと貼られ、「YRP野比」なる駅名に変更されていたのでした。
「YRP?」何とも駅名としては理解しがたいアルファベットの文字が、「野比」の字の前に堂々とくっ付けてある。その時の私は、なんだかいまいちぱっとしないプロレスラーの名前のようだななどと感じながら、いったい「野比」に何が起きているのかと思いを馳せたものでした。

後に分かったことですが、この元野比駅に近いところに、日本を代表する大手通信事業会社の広大な研究施設「横須賀・リサーチ・パーク」なるものが建設されたようです。そして、この施設と京急の一駅との間に何があるのかは分かりませんが、その施設の頭文字が、そのまま「野比」駅の頭につけられて、新たな駅名「YRP野比」が誕生したいきさつのようです。

今でも事あるごとに私は電車に乗ってこの場所を訪れています。人生における大きな選択を迫られた時、誰一人他人を信じられなくなってしまった時、恋に破れた時、バドミントンで試合に負けた時、動機はともかくかっこよく言わせてもらえば男には一つくらい存在するハードボイルドの世界、まあ簡単に言えば自分にとっての癒しの場所がこの海岸と言えるのかもしれません。すみません、ちょっと脚色しすぎました。

しかし、この道中、都会からの小旅行には抜群のルートだと私は思っています。この道中をざっくりと説明させていただきますと、出発は京急線品川駅、真っ赤な車体の快速特急に乗り込みます。快速特急とはいっても特別料金は変わりませんが、二人掛けで前向きのシート、窓は大きくで非常に快適でたいへん乗り心地のいい車両です。発車して車両が加速する際にジングルを奏でながら走り出すアイディアはちょっと気が利いていますね。
1980年代前半、田舎から出てきた私はこのデラックスな快速特急に初めて乗り込んだ時、「この電車は絶対に特急料金が必要なはずだ」と勝手に思い込んでしまい、検札が来ないのを変だなあなどと思いながらも、これは幸いと「このまま降りてしまえ!」勝手に悪だくみをしました。なんら悪いことなどしていないわけですが、駅の改札ではどさくさにまぎれるようにヒヤヒヤしながら乗車券を投げ出し(まだ自動改札はありましぇん)、足早に駅から遠ざかった事を憶えています(すみません乗り逃げ未遂事件です)。
しかし、当然ながら改札口で渡したキップのとおり、何ら料金に問題はなく乗車区間分だけの料金で良かったわけで、後で考えてみれば、くだらないことで肝を冷やしたものだと苦笑いした次第でした(情けない・・・ホント)。

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さてさてこの電車、品川を出発すると横浜を抜け金沢文庫を過ぎた辺りからは都会の風景も一変して、緑の多い山間の道、トンネル、のどかな田舎の風景の中、時々海を垣間見せながらひた走ります。わずか1時間くらいの道中の中で、都会を離れた小旅行気分が充分に味わえます。
やがて、目指す「YRP野比」に到着、改札を抜けると、駅前には小さなバスターミナルが広がり、ターミナルを左に小さな商店街を抜け(何度も言いますが別段何もありません)、三浦半島を縦断する134号線を渡り、平屋の民家の間の小道を抜け、やがて坂を下りたところに「野比海岸」があります。

わずか2キロ程の砂浜が続くこの「野比海岸」、東京湾を挟んだ対岸には大きく迫り出す房総半島が横たわり、海岸線の南には三浦海岸が、北には巨大な火力発電所の煙突がそびえ立っていたりと、何ともスペクタクルな風景が広がります。海岸線には近年コンクリートで小さな公園のようなスペースが整備され、週末ともなるとマリンスポーツやバーベキューなどを楽しむ家族連れなどで賑わっているようです。

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ゆったりと湾曲した「野比海岸」に沿って、たっぷりと幅のある車道が走っています。その車道の脇の歩道を北に向けて歩きます。海岸沿いに整備されたこの道路、平日は交通量が極めて少ない所が何とも気分いいです。
ポツリポツリと海岸で釣りをしている人や、犬をあそばせている人の様子等をボーッと眺めながら気ままに歩いていくと、やがて辺りに何もない小高い丘の上に国立久里浜病院が現われます。この病院はアルコール、ドラッグをはじめ様々な依存症の人達の療養所として有名な場所です。近年ではゲームやスマホの依存症の患者さんが増えていると聞きました。そして、海を望む静かな環境という絶好のロケーションの中に立つこの病院は、北野武の映画を始めさまざまな映画やドラマなどのロケ場所として使われているようです。

お散歩タイムはだいたいここで終わりです。そして、今度はこの病院の入口のバス停で久里浜駅行きのバスを待ちます。ボーッと海に向かって、なかなかやってこないバスを待っているこの時間もなかなかおつな物、バス停には、病院に見舞いに訪れた人、退院する人達等がいて、たいがいちょっとした人間模様を見ることとなります。

バスはたくさんのウインドサーフィンの帆が色鮮やかに海の上を走る様を眺めながら海岸線を走っていきます。やがて大きく左に海岸線を離れ、トンネルを抜けると、ペリーの来航のあった久里浜港へ。金谷行フェリーの発着所、ペリー来航の記念碑、自衛隊の駐屯地などを通りすぎるとやがてバスは「京急久里浜」駅へと到着します。

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まあ、ざっとこんな感じです。概ね半日程度でこの「野比海岸」小旅行は終わりです。事あるごとに、こんなワンパターンのお散歩を私は楽しんでいます。いったい何が面白いんだと、この文章を読んだ方の中には訝る向きもあろうかとは思いますが、機会があればぜひ天気の良い日などに足を運んでみていただきたいと思います。都心で「海を見たい」、都会を離れたいなどと思いついたとき、手軽に充分に満足できるコースだと私は思うのです。

 


最後まで私のわがまま一杯の駄文にお付き合いいただき本当にありがとうございます。どう感謝したらいいか言い尽くせません。
これからも頑張ってたくさんの文章を書き続けていきます。きっと興味を抱いていただける記事もあると思います。またお読みいただけるご縁があることを切に願っています。
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