陸送という仕事、美味しいバイトはないというお話

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陸送とはただ車を運ぶだけに違いない

アルバイトとして稼げるのか?

私は”陸送”というバイトを大昔にやったことがあるんですね。

陸送って、どんな仕事だか、皆さん知ってますか?

バトンを持って、トラックを走るような競技のことではありませんよ…

すみません、相変わらずこんな書き出しで…

Photo by pixabay.com

車を運転して運ぶだけの仕事

陸送とは、車を地上路で運ぶ仕事のことなんですね。知ってた方すみません。

ドライバーが直接車を運転して、目的地までその車を運ぶのも陸送、大型トレーラーにまるでステゴザウルス背びれのように車を積み込んで一気に運ぶのも陸送となるようです。

私がこのバイトを経験したのは1980年代の後半、バブル景気が沸き起こるほんの少し前といった頃で、背景には活況な日本の自動車産業の輸出が巨額な貿易黒字を生み出し、特にアメリカで強いバッシングを受けて社会問題となりつつあるような時代でした。

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甘い汁

あるとき、求人雑誌”フロームA”を眺めていたとき、ある求人広告に目が留まりました。

その広告はこんな大見出しでした。

「出勤日数、出勤時間自由」、「車を運転して目的の場所へ運ぶだけ」、「高額可能」

皆さんどうでしょうか?興味をそそられませんか?

少し大人の方なら、なんかあるんじゃないのお?と勘繰ることでしょう。しかしながら、当時若輩者の無知の塊だった私は、こんな広告に心躍らせ、本当にワクワクしながらこの広告主の会社まで電話を掛けたものでした。

まだ携帯も、パソコンさえ存在しない時代の話です。アルバイトを探すと言えば、”フロームA”、応募はメールではなく当然電話(固定)です。

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衝撃的な日々

しかし、しかし、そう旨い話などありませんよね。まあ、決してブラックバイトなどという種類の仕事ではなかったと思うのですが、何ら知恵のない一若輩者にとっては、ただ車を運転して運ぶだけのはずの仕事が、一見こんなにも何でもないと思える仕事なのに、この時このバイトをやっていたわずか数ヶ月間での体験は、とてつもなくエキセントリックで、試練の連続、衝撃的なエピソードの数々に感じられたのでした。

今思い返してみても、まるで扉を開ける度に次の強敵が構えている、ブルース・リーの「死亡の塔」のように、普通の人が体験する出来事の有に数年分、あるいはまあ普通の人なら到底体験しないような出来事が、列挙して一度に訪れたような日々だったのです。

この時のアルバイトの内容はこうです。まずは雇い主の陸送の会社の事務所に電話をかけます。そうすると担当の方が、今日はどこどこの駅のどこどこ自動車に行ってくれといった指示を私に出します。そして次に、その車を受け取ったら、どこどこの住所のどこどこ自動車に届けなさいといった内容です。

この時の行き先、届け先というのがたいていは自動車工場であったり、板金屋さん、大手のディーラー、中古自動車屋さんであったりしました。そして、この場所と同時にこの仕事の値段を告げられます。3,000円だよ、とかです。ちなみにこの値段は陸送する距離に概ね比例して、値段が高かったり安かったりしました。

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走り続けた日々

何度も言いますが、携帯もパソコンもありません。地図と、路線図だけが頼みの綱です。

この時の3,000円というお金が取り分になるわけですが、電車やバスなどに乗る移動手段の交通費は含まれていません。そして、なんといっても一番の頭が痛い部分は、ガソリンも実費だということです。

車を受け取って運ぶわけですが、その車にガソリンが入っているかは別問題、まあ、ほとんどの場合0ということはないのですが、たいてはほとんど入っていません。したがって、少しでも持ち出しをなくすために、ガソリンを入れずに走れるようギリギリの攻防が始まるわけです。

まあ、しかし、そううまくは行かず、陸送の途中にやむなくガソリンスタンドに立ち寄る羽目になることもしばしば、2リットル入れてください、などとお願いしながら車に乗る日々でした。

Photo from imcreator.com

様々な職種

そして、そもそもなんでこんな風に車を動かす目的があるのかと言えば、ほとんどの車がいわゆる中古車で、売買に関する移動であったり、修理後の配達のようなものであったり、はたまた輸出車を港まで運ぶ陸送であったりしました。最も一番多かったのは、中古車自動車屋さん同士のネットワークで車をぐるぐる回し、店頭の車が入れ替わることで、新鮮さをアピールするといったような狙いに使われていたようです。

目的の場所に車を届けると、事務所にまた電話です。その時のこの業界の需要は相当だったようで、不思議なほどすぐ近くで次の車を拾うことが出来たりしました。

そして、同じように金額を言われて、次の車をまた指定された届け先へと届けるわけです。

と、こんな風に書くと、なんか簡単で、おもしろそうですよねえ…
でも、まあ、そう上手くはいかないのが世の常、仕事というものでしょうねえ。

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エキセントリックな日々

まったく、うんざりするほどのトラブルの連続でしたよ。ラジエターの水漏れのあった不良車に乗らされて、東京の環状八号線のど真ん中で車のボンネットが突如跳ね上がったこともありました(本当ですからね)。榛名山の麓まで車を走らせて、人っ子一人いないような場所でガス欠になり途方にくれたことも。何より頭を悩ませたのが都心の渋滞ですね。半日で終わるような仕事が、ひどい渋滞で1日かかってしまったりすると、もう次の仕事も終わってしまい、全然稼ぎにならずにがっくりするとか。

実はそんな様子を、読み物にまとめた物があります。幼稚な文ですが良かったらぜひお暇なときにでも読んでみてください。

陸送バイト衝撃の記録

仕事に楽や簡単はないという教訓を痛いほど教え込まれた、甘酸っぱい夏の体験でした。

んん?甘酸っぱくはないか…

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