泉岳寺駅最寄「高輪橋架動橋」
もちろんご存知の方も多いとは思いますが、JR山手線の品川駅と田町駅の間に、線路を横断するための地下道が一本だけあります。
正式名称を「高輪橋架動橋」。ちなみに山手線の駅と駅の間で最も距離が長いのは、この田町、品川駅間の2.2キロとのこと※(最短は日暮里、西日暮里駅間の0.5キロ)です。
品川駅と田町駅の間といえば、新幹線を始め、東海道線や横須賀線など様々な列車が通過していることもあり、地図などで見ても横幅はかなりの長さ、したがってこの横断する地下道も相当な長さがあります。
※この記事を書いているのは2017年です。JRは2020年までに品川駅と田町駅の間に新駅を作ることを発表しています。
スポンサー広告
異様な天井の低さ
私は以前住んでいた会社の寮が、この地下道の近くにあったことで、高輪方面から芝浦方面へと向かう際には、この地下道「高輪橋架動橋」が格好の横断ルートとなっていました。
しかし、この地下道、実に奇妙な造りなのです。その奇妙さというのは、車両が通れる道でありながらも、道中の一番低いところでは路面から天井までの高さが1.5メートル程度しかないのです。
通常の大人であれば直立のまま渡りきることは困難な高さ、この道を利用するには、自転車であれ、車であれ相当な注意が必要となります。
通称「提灯殺し」「角落とし」
この品川、田町駅間に存在する、天井が異様に低いこのトンネルを通称「提灯殺し」「角落とし」などとも呼びます。ここで言う提灯とは、タクシーの天井の上の社名などを表しているランプのことですね。
以前タクシーに乗り、この道を通りながら運転手さんと話をしたとき、「大抵はどの”セダン”でも通れるけど、○○年式のクラウンだと、提灯がぶつかっちゃうんだよねー」などと言っていました。
実際に高輪側から足を踏み入れた時には、天井にはまだ十分な高さがあり、最初は「少し低いかな」程度に感じるくらいです。私は身長が179cmありますが、特に問題なく歩き始められます。
しかし、更に歩を進めると、やがて「あれ?」と感じることになります。ある地点から突然に背を丸めなければ通れない高さへと変わるのです。
行きはよいよい
私が初めてこのトンネルを通った時がまさにそうでした。途中で嘘だろう!という低さに変わっていきます。知ってたら入らないよ!といった感じですね。
誰もが引き返そうかと思いを巡らすはずですが、その時にはもう既にかなりの距離を来てしまっています。もはや戻るには何とも悔しい距離、あとはここを渡り切ってしまう事を考えるはずです。
背を丸め、かなり窮屈な姿勢をとりながら歩いていると、すぐ脇を子供が颯爽と走り去ったりして、なんとも言えない気持ちになったりもします。
トンネルとはいっても線路の下をただ掘っているだけのような作りなので、突然走り去る頭上の列車の轟音にはかなり驚かされ、頑なに歩を進めるしかない状態へと陥った時、それはまるで未開のジャングルの洞窟探検隊のようなありさまです。
迫りくる天井
そして、この地下道、車にとってもなんとも気持ちの悪いしろものです。
当然トラックやワゴン車などでは通行できませんが、高さ的には通行可能な乗用車でさえ、理論的には天井にはぶつからないと分かっていても、押しつぶされそうな圧迫感を感じて相当肝を冷やします。
友人から聞いた話なのですが、友人がこの地下道を通った際に、突然車が数珠繋がりになり停まってしまったことがあったそうです。
一向に動き出さない様子に車を降りて前を見てみると、最前列の車が天井に擦って停まってしまい、にっちもさっちも行かなくなって困り果てていたとのことです。
この様子に後続の車の人達も車を降り(ちなみにこの地下道は一方通行です)、ドライバーたちが顔を突き合わせて、ああだこうだやっていると、後続のタクシーの運転手さんが車を降りてきたそうです。そして、おもむろに道を塞いでしまった車の脇に屈み込み、何をするのかと思いきやその運転手さん、4つのタイヤの空気をすべて抜き始めたではありませんか!
見事、車両はわずかに車高を下げ、無事にその地下道を脱出できたとのことです。
お見事!
まあ、後から考えたのですが、空気を抜かなくとも、人が5人くらい乗れば沈んだかもしれませんね。
もうすぐ消滅!?
こんな地下道ですが、オレンジ色の照明がお洒落で、その独特の雰囲気がテレビドラマのオープニングタイトルなどでも使われていたこともあります。
その使い勝手の悪さとのアンバランスさになんとも混乱させられてしまいますが、お近くに立ち寄る際にはぜひこの不思議さを実感しに出かけてみてください。
2017年の情報によると、山手線の新駅開発に伴い、この地下道がなくなってしまうという話もあるようです。こうなると実在する内にもう一度通ってみたいものです。
高輪橋架道橋
いつもいつも私のくだらないに尽きる文章をお読みいただき本当に感謝、感謝です。
おかげさまで、一日1,000人近い方に訪れていただけるブログとなりました。
またお読みいただけるご縁を切に願っております。
たまには「いいね!」などもポチッと押していただけますと、ますますやる気が出ていい文章が書けるような気がします。
それではまた。
スポンサー広告